*Ein ird'scher Glanz,ein lieblich Licht*

August 2015

Edelweiss表紙
Edelweiss裏表紙
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早いものではじまりのあの日から来年で四半世紀が経とうとしている。
今年も9月10日が近い。
アルベルは庭でベラドンナリリーが咲く頃、リリィを引き取った。
リリィ・オヴ・ヴァレーと名付けられた愛らしい赤ちゃんはすくすく育った。
1991年6月10日、リーザは15歳だった。
1996年9月10日、リリィが産まれた。
リーザは二十歳だった。
2001年9月10日、リーザは25歳で、リリィは5歳になった。
生まれて四半世紀、リリィは可愛い盛りで、まさか翌日にあのようなことが起きるなど、いったい誰が予測しただろうか。
ヘンリはその前日、リーザに小言を言ってはいたのだが、翌日のテロでそれどころではなくなり、忙しそうに出社した。
ヘンリの会社があのビルに入っていたからだ。
あれから15年近くの月日が流れた。
二〇十五年八月十五日、戦後七十年、ヘンリの祖父母の昔話から七十年という長い歳月が経っていた。
九月十日、リリィの十九歳の誕生日。
そう、リーザが妊娠したのも十九歳の元旦だった。
もう、それだけ長い歳月が流れていたのだ。
リリィは幸せそうに暮らしている。
リリィの幸福が不幸な生い立ちにあったとしても、リリィの人生は薔薇色なのだ。
のちにリリィの娘がフォン・レースライン、姫薔薇の乙女と呼ばれる愛らしい孫娘となり、すべてを丸く穏やかにしたように。
リリィは来年、二十歳になる。
リーザやヘンリ、アルベルは四十歳になる。
リーザの祖国は共和国となり、そのおとぎ話の傍らの現実のお話。
すべては夢なのか。どこからが夢で、どこからが現実?
確かに二つの世界を旅し、この世にいる。
あれから四半世紀が経つのだ。
世界は現実を穏やかに見守っていた。
二〇十五年から二〇十六年に移り変わるこの素晴らしき世界を。
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